こんにちは、日本画家の深町聡美です。
今回は下関市立美術館で開催中の
「狩野芳崖、継がれる想い」
でのワークショップ体験記です!
- 下関美術館までの経路
- 狩野芳崖の凄さ
- 激エモな硯や墨たくさん!
などなど、
多数の画像を交えて記しています。
ぜひ最後までお読み頂き、
狩野芳崖の筆ワザを追体験して下さい。
こちらに行ってきました!
〈展覧会のお知らせ〉
— 下関市立美術館 (@artshimonoseki) February 6, 2024
下関市立美術館では2月6日(火)から3月17日(日)まで開館40周年記念特別展「狩野芳崖、継がれる想い」が開催されます。芳崖が最後に手掛けた《悲母観音》(1888年、東京藝術大学蔵、重要文化財)からはじまる物語を紡いでいきます。
皆さまのご来館を心よりお待ちしています。 pic.twitter.com/k7Rp1EDq1T
Contents
博多駅から下関駅へ特急で行ってきた!
- 乗車券を買う
(博多ー下関の1500円) - 自由席特急券を買う
(博多ー小倉600円/車内料金800円) - 博多から小倉まで特急で移動
- 小倉から下関行に乗り換える
博多駅から下関に行く方法は大きく分けて二種類。
- 新幹線を使う
- 在来線を使う
今回は在来線の特急を使っていきました。
新幹線に乗れるのは博多ー小倉までだよ!
博多ー小倉は現在こんな感じで行けそうです。
- 東海道・山陽新幹線で15分
1310円 - 特急ソニック・にちりんで40分
2440円 - 鹿児島本線門司港行で1時間22分
3580円
※Googleマップ調べ
ゆっくり行きたい時は特急がいいですね。
特急で小倉まで行ったら、下関行の電車に乗り換えます。
この時は各駅停車に乗っていきました。
20分ほど乗って下関駅に到着です。
下関の街並みを楽しみながら下関市立美術館へ
- ①のりば【17】【17Y】【14】
- ②のりば【24A】
など
「市立美術館・関門医療センター前」下車
下関駅から下関美術館まではバスで行きます!
①のりばの【17】、②のりばの【24A】等で行けるようです。
筆者は①のりばの【17】に乗っていきました。
本数が少ないのでその間に休憩すると良さそうです。
下関は観光名所がたくさん!
関門橋と源平合戦の像が並ぶここは、人気の撮影スポットです。
この辺りが平家物語のクライマックスである壇ノ浦なんですね!
ここで義経が八艘飛びをしたり那須与一が扇を射抜いたりしたんですね
安徳天皇を祀る赤間神宮も有名だよ!
歴史的な建物が多く、全体的にエモい雰囲気の街並み。
れいわ新選組の看板も昭和レトロ風に作られています。
ふぐの像で有名な唐戸市場周辺は混雑していたものの、そこを抜けるとスムーズな運行に。
海沿いを走っていき、美しい景色が楽しめます。
下関市立美術館のそばには激エモな喫茶店が…!
「コーヒーハウス」
「ブリッヂ」
どちらも令和にないボキャブラリーでテンションが上がります。
フォントがかっこいい……
次回は行ってみたいものです。
人気店みたいでお客さんがいっぱいだったよ!
下関市立美術館に到着!
下関市立美術館に到着。
シンボルのペガサスと人間の像が印象的です。
エレベーターで二階に上がると入り口がありました。
ちょっと先にあるスロープでも入り口に辿り着けたよ。
展示作品が並びます。
なお、今回は作品を見られなかった模様。
狩野芳崖と日本画の歴史を学ぼう!
今回は13:00から開催された
「狩野芳崖筆法講座」に参加しました。
金沢美術大学で狩野芳崖研究をされている坂本先生をお招きしての講演&ワークショップです。
はじめの1時間は狩野派に関する本格的講義!
- 芳崖は最初の日本画家であり、最後の狩野派絵師だった!
- 狩野派は中国と日本の絵の良いとこどりの、最強絵師!
- 初期狩野派は生まれた地域や身分に捉われない柔軟な集団だった!
個人的に興味深かったのはは狩野芳崖が使っていた紙の話。
竹紙や画仙紙だけでなく、高級水彩紙のワットマン紙が使っていたそうです。
仁王捉鬼図は画仙紙に描いたんだって!
他にもガチめな日本美術史の話がいっぱいでした!
激エモな硯と墨を使わせてもらいました!
講義の後は実践編!
狩野芳崖の筆法(筆ワザ)を体験します!
なんとこの講座では、
坂本先生が持参された超本格的な墨と硯を使わせて頂けました!
参加者はそれぞれ好きな墨と硯で墨を磨れます。
これは筆者がお借りした硯。
龍の飾り彫がカッコいい。
狩野芳崖も使っていたという
古梅園の「紅花墨」を使わせて頂きました。
紅花墨は現在でも販売されていますが…
現在は不使用らしき印が付いていました。
よく聞いていませんが、随分な古墨だったのかもしれません。
↓現在も芳崖と同じ墨を購入できます!↓
Amazonで探したところ、
50年前の「紅花墨 聖」も出品されていました!
↓見るだけでもカッコいいのでリンク張っておきます!↓
摺っていると墨の良い香りがしてきます。
狩野芳崖の猿を模写したよ!
墨が擦れたら坂本先生の実演を見て、持ち方を学びます。
習ったのは主に二つの筆法!
- 筆を指一本で支え持つ/二本で支え持つ方法
- 腕を机に付けて動かす/上げて動かす方法
指一本で支え持つのが普通に鉛筆を持つ持ち方。
人差し指で上から支えます。
指二本は親指、人差し指、中指で支える持ち方です。
これだけでも線が全然変わるんです!
支える指の本数だけでも力の具合が変わるんだね!
↑細かい箇所を描く時は利き手の上下に手を置いていたとか。
下に敷く描き方は知っていましたが、
上に乗せる方法は知りませんでした!
↑こちらは筆者の筆法チャレンジの成果。
古墨が泣く拙さ……
少し筆を止めると滲むのが大変でした!
でも墨が美しく発色する紙だね!
頂いた色紙にお手本を薄く転写しまして、
お手本をよく観察しながら墨で描き進めます。
・薄い墨一層目
・薄い墨の毛書
・濃い墨の描き込み
の三段階で描かれているそうです。
先生方のご指導のもと完成したのはこちら。
狩野派の筆法はほぼ初心者でしたが、ご指導のおかげでこれだけ描けました!
シンプルなお手本と丁寧な実演で楽しく実践できたよ!
最後に参加者の作品を全員で鑑賞して楽しみました!
全員違う猿が出来上がっていたのが面白かったです!
「にじみ出る個性」を感じました!
墨絵は一度筆を紙に乗せたらやり直しが出来ません。
にもかかわらず、何層にもわたって計算されて描かれているのは驚きますね。
芳崖は最終的な完成を想像しながら
「この部分は後でこう重ねよう」
「ここは塗らないでおこう」
と逆算しているわけです。
この先を見越した緻密な計画と技術力。
この両方が芳崖の魅力的な作品を生み出しているんですね!
まとめー下関市立美術館で狩野芳崖の筆法を伝授されてきた!【旅行記】
最後までお読みいただきありがとうございます。
以上が狩野派の筆法を体験した下関市立美術館の旅行記でした!
「筆使いなんてフィーリングでいいやろ!」
と思いがちですが、
狩野派にはここまで体系化された筆ワザがあったんです!
おしゃれな港町の下関にある、
上品な展示センスの下関市立美術館。
観光に来られた時はぜひ展示をご覧下さいね!
ゆっくり描いていたら閉館時間になり展示が見れませんでした!
折角なので、また遊びに行きたいと思います!
講座の参考文献に
なっていた書籍です!
図解で筆の持ち方が解説されているようです!
帰ってすぐに注文しました!
講師の坂本先生の作品!
【作品紹介】
— UNPEL GALLERY (@unpel_gallery) April 17, 2021
孔雀
坂本英駿 <SAKAMOTO Hidetoshi>
Instagramにて作家コメント公開中!https://t.co/yYECJP9vUB
▼4⽉11⽇~ 4⽉25⽇
金沢美術工芸大学 日本画専攻博士二人展
「愛でる」 #坂本英駿 / #中田日菜子#あいおいニッセイ同和損保#UNPELGALLERY#金沢工芸美術大学#日本画#japaneseart pic.twitter.com/CIFdxD27Fv
前の記事はこちら!
次の記事はこちら!
乞うご期待!