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グラニュレーション(分離色)とは?分離色との違いと粒をきれいに出す4つのコツを解説!

この記事で分かること
  • グラニュレーションの言葉の意味は粒状化!
  • 分離色は色みが分かれるグラニュレーションのこと!
  • うまく分離させるためには4つのコツがある!


「グラニュレーション、流行ってるけど結局なに?!」

水彩絵具で人気のあるグラニュレーション。

でも意味や理屈は意外と知らない人もいるのではないでしょうか?




実はこの現象、理屈を知るともっと楽しめますよ✨

この記事では、

  • グラニュレーションの意味
  • なぜツブツブするのか?
  • 分離色との違い
  • 粒状化をうまく出すための4つのコツ

を、初心者にもわかりやすく解説します。




😁「どうせ絵具が勝手にムラになるだけでしょ?」
と思っていた方も、

読み終われば
💡「描き方の工夫で全然変わるんだ!」
と感じられるはず!


是非最後までお読みください。


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シリーズはこちら!

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透明水彩のグラニュレーションの意味とは?粒状という意味!

グラニュレーションとは?
  • グラニュレーションは、水彩絵具の特性のひとつで、顔料の粒子が紙の凹凸に集まりながら乾くことで、ざらざらとした独特の質感が生まれる現象を指します。

長いカタカナ難しい!
グラニュレーションってどういう意味なの?


グラニュレーションって難しいカタカナですよね。


でも安心してください。
意味はとてもシンプルです。


グラニュレーション(Granulation)とは、
英語で「粒状化」という意味
なんです!

超簡単に言うと、
「絵具がざらざらして、ムラっぽく見える現象」のこと。



水彩を塗ったら、色の中にツブツブや
色の濃淡が浮かび上がる感じです。

たとえばこちらをご覧ください。


グラニュレーションと通常色の比較を示した図。上段のコバルトターコイズは粒子が細かく、発色が均一。下段のグレイシャーターコイズはザラザラしたムラがあり、粒状化が目立つ。色の質感の違いを視覚的に比較している。



同じターコイズ系絵具でも、少し違いますよね。



「なんかザラザラして、ムラがある…」
と思った方、

それこそが「グラニュレーション(粒状化)」なんです!




最近は、このグラニュレーションが
あえて強調される絵具も増えています。



その代表が、シュミンケの
スーパーグラニュレーションシリーズなんですね。


もともと粒状化は「不良品」と考えられていました。

色ムラやダマだと考えられていたんだね



しかし現代では、この「偶然性」が評価されるようになったのです!


さあ、この特性をうまく活かして、
情緒ある素敵な作品を作っていきましょう!


粒状化のしくみ|なぜツブツブが出るの?

DARENIHO

でもなぜ、ツブツブした見た目になるの?


なぜこんな「ツブツブした見た目」になるのか、
気になりますよね!


ちょっとだけ理屈を見てみましょう。




水彩絵具の中身は大きく分けてこの2つからできています。

絵具の原料
  • 顔料
    絵具の「色のもと」。粉状で、鉱物や植物から抽出されたりする。
  • 展色剤
    顔料を紙に付けるための糊。アラビアゴムが良く使われる。



グラニュレーションが起きるのは、

  • 複数の顔料が混ざっていて、
    それぞれの「粒の重さや大きさ」に差があるとき

です。


水に溶かしたとき、
重い粒は沈みやすく、
軽い粒は水に乗って流れやすいですよね。



そのため、紙の上で分かれて定着し、
ムラのある質感になるんです。



特に、粒のサイズや比重の差が大きいほど、
粒状化がよりはっきりと出てきます。



グラニュレーション絵具と通常の絵具における、紙の凹凸との関係を比較した図。
上段は粒子サイズが異なるグラニュレーション絵具で、大きな粒が凹部に引っかかり、小さな粒が表面にとどまってムラが生じている。
下段は通常の絵具で、粒子の大きさや重さが均一なため、全体に均等に広がっている様子。
※通常の絵具でも多少のムラは出ることが注記されている。



絵具を塗って乾かすとき、

水と一緒に流れていた顔料が、
紙の凹凸に引っかかったり、
粒同士がまとまったりして、

ランダムに動き「ツブツブの見た目」ができるのです。


顔料が1種類でも、粒子が粗かったり
沈みやすものは、
単色でもグラニュレーションが起こります。
特に、コバルト系や天然の土系(黄土など)
で発生します。


スーパーグラニュレーションのギャラクシーブルーの方が
明らかにツブツブしている



シュミンケの
スーパーグラニュレーションシリーズでは、

もともと粒状化しやすい顔料
2種類以上ブレンドして、

より強くツブツブが出るように設計されています。


つまり、

  • 絵具の選び方で粒の出方が変わる
  • 意図してツブツブにできる

というわけです!


次の章では、
「グラニュレーション」とよく一緒に出てくる言葉、


「分離色」との違いについて、
わかりやすく解説していきますね。


顔料の秘密はこちら!



分離色とは?初心者にもわかる意味とグラニュレーションとの違いをやさしく解説

「粒状化と分離色の違い」を説明する日本語の図解。上段には青系の色がまだらに広がる画像と「粒状化(グラニュレーション)」というラベル。下段には複数の色が混ざった画像と「分離色」のラベル。「粒状化する絵具で色みが二色以上に分かれるもの」という説明文付き。

分離色はグラニュレーションと同じ意味なの?

グラニュレの中で色が分かれるのを「分離色」といいます。


「分離色って何?」
「グラニュレーションとどう違うの?」
と思った方へ。


実は、分離色という言葉は、

  • グラニュレーションの中で
    「色みの違いが大きいもの」のこと

なんです。

簡単に整理してみましょう。

  • グラニュレーション
    粒子がツブツブして見える
  • 分離色
    色の粒が複数に分かれて見える

という違いがあります。




たとえば
「青と赤が分かれて出てくる」
「緑に茶色が混じって浮かぶ」

のような感じです。

  • デザートグリーン
    赤と緑が明確に分かれている。(分離色)
  • グレイシャーブルー
    青の中に、濃い青がツブツブ浮かぶ(グラニュレーション)



分離色は、色みの違いがハッキリしているグラニュレーションのことなんだね!

便宜上使われている言葉であり、明確な定義はありません。


「分離色」という言葉は、
日本国内で便宜的に使われている表現です。

英語圏でも「color separation」といいますが、
「granulation」という枠組みに含みます。

「分離色」という単語自体が
「売り」や「ジャンル化」にはされていません。


分離色が起きる理由|粒の違いで色が分かれる仕組みとは?

でもなんで、色が分かれるの?


なぜ、分離色は色が分かるれるのか?


これは、絵具の中に
違う色みの顔料が二色以上混ざっているためです!



顔料の粒子が水に流されると、
重い粒と軽い粒では、違う場所に沈みます。


そのため色が分かれるのです。

色が分かれるのは、グラニュレーションと同じ理屈なんだね!


でも、いくらグラニュレーション用の絵具でも
上手く粒子感が出ない事もあります。



ここからはそんな時に使える

  • グラニュレーション&分離色を出すコツ

をお話します!

ぜひご活用ください!


シュミンケ ホラダム透明水彩の限定色「スーパーグラニュレーション」で粒を上手く出すには?

グラニュレーションのツブツブをハッキリ出したいよ!

では、取り入れやすい4つの方法を解説しますね!


グラニュレーションを出すコツ4選
  • 水の量を調節する
  • ウェット・オン・ウェットを使う
  • 荒目の紙を使う
  • 指で紙を弾く


水の量を調節する|透明水彩のグラニュレーションのコツ①


一番簡単なのが、

水の量を少し多めにすること!


濃く塗ると粒が密になって、粒子感が分かりにくくなります。


重ね塗りをすると濃くなるのと同じだね!
顔料の粒と粒の間に、さらに粒が入っていくんだ!


グラニュレーションを試す時は、
普段より水を多めに使ってみましょう。


これで顔料の粒が水で動きやすくなり、
まばらになります。



ウェット・オン・ウェット|透明水彩のグラニュレーションのコツ②


二つ目はウェットオンウェットを使う方法。


これは、あらかじめ濡らした紙に絵具を塗る方法です。


これを使うことで水と絵具が混じりあって、
顔料がまばらになりやすくなります!



①の方法も②の方法も、顔料が紙に定着する前に水でまばらにする作戦ですね。



荒目の紙を使う|透明水彩のグラニュレーションのコツ③


グラニュレーションを出すには紙の選択も大切!



今回の例のような、
細目の紙はグラニュレーションに不向きです。


荒目の紙を使いましょう!


凹凸の差が大きいので、顔料が
紙の凹凸に集まりやすくなります。


つまり、よりハッキリとグラニュレーション効果が出るということ!


まずは荒目の紙を選ぶことをやってみてね!



紙を指で弾く|透明水彩のグラニュレーションのコツ④

最後は紙を指で弾く方法!

こちらは
見たい!聞きたい!透明水彩! 画家と化学者が語る技法と画材 [ あべとしゆき ]
で紹介されていた方法です。


ここでは絵具を塗った紙を裏から指で弾く方法が書かれていました。


「指でトントンする」だけでも効果はあるようです。



「指でトントン」の具体的な方法は載っていませんでしたが、興味がある方はぜひ読んでみて下さい!



まとめーグラニュレーション(分離色)とは?分離色との違いと粒をきれいに出す4つのコツを解説!



最後までお読み頂きありがとうございます!

今回は、透明水彩で人気の
グラニュレーション(粒状化)について、
その意味やしくみをやさしく解説してきました!



さらに、その中でも
「色が分かれる」分離色についてもご紹介しましたね。

  • グラニュレーションとは、顔料の粒が紙の凹凸に集まり、ザラザラとしたムラが出る現象
  • 分離色とは、その中でも「異なる色み」が分かれて見えるタイプのこと
  • どちらも水の量・塗り方・紙選びによって、出方が変わる!
  • 「偶然の美」を楽しめるのが、グラニュレーション絵具の大きな魅力!

ということでした。



今回は
シュミンケ ホラダムのスーパーグラニュレーションシリーズ

をメインで使ってきました。


ですが現在は、
ホルベインのグラニュレーティングシリーズ
がオススメ!



1色から入手しやすく値段もお手頃なので、
初めてのグラニュレーションにピッタリですよ!



まだ使ったことがない方も、
1色からぜひ試してみてくださいね!



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↑筆者は使ったことがありませんが、
SNSでも見かける絵具です。
鮮やかな分離色に憧れます。
いつか使ってみたいですね。



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参考サイト:https://www.schmincke.de/en/produkte/aquarell/horadam-aquarell?utm_source=chatgpt.com


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