- なぜ大理石板や鏡を使って絵具を練るのか?
- ミュラー(マーラー)って何?代用品はある?
- 初心者でもできる!発色いい絵具を作るコツ!
「なんでわざわざ大理石板を使うの?」
手作り水彩絵具を調べると
大理石板やミュラーという専門道具が出てきます。
でも
「水彩パレットや紙の上で混ぜたらダメなの?」
と思う方も多いはず。
実はこの「練る土台」こそ、
絵具の発色や使いやすさを左右する重要ポイントなんです!
今回は、初心者の方にもわかりやすく、
- 大理石板や鏡が使われる理由
- ミュラーとはいったい何?
- パレットナイフで代用できるの?
などを丁寧に解説していきます!
創作水彩絵具の
作り方はこちら!
⇒ハンドメイド透明水彩絵具の作り方|初心者向けに材料と作業手順を紹介

Contents
手作り水彩絵具に大理石板や鏡を使う理由とは?初心者が知っておきたい基本


この記事だと、大理石板が必要ってあるよ!
水彩パレット上で混ぜたらダメなの?
手作り水彩絵具(ハンドメイド水彩、創作水彩)
を作る時に、
「なんでわざわざ大理石板とか鏡を使うの?」
「パレットや紙の上じゃダメなの?」
と思ったことはありませんか?
実はこの「混ぜる場所の板」こそ、
良い絵具を作る大事なポイントなんです!
水彩絵具作りは、
- 顔料とメディウムを
しっかりと均一に混ぜる=“練る”
工程がとても大切。
そのとき使う「土台」の素材によって、
絵具の滑らかさや発色が変わってしまうんです!
ではなぜ、大理石板やガラス板が良いのでしょうか?
その理由をわかりやすく説明していきます。
なぜ大理石板や鏡を使うの?それは均一に顔料を混ぜるため!


なぜ大理石板やガラス板がいいの?
理由は主にこの4つです!
- 表面が均一になめらかで、顔料を均一に混ぜやすい
- 硬くて変形せず、練っても削れないず不純物が入らない
- 吸水性がなく、材料が染み込まない
- 熱に強く、摩擦熱で素材や顔料が変質しにくい
この条件を満たすのが、
大理石板や鏡、ガラス板などの素材なんです。
特に、鏡は表面がガラス板なうえに、
大小多くのサイズが安価に販売されています。
そのため、ガラス板の代用としてよく用いられています。
一方で、紙や木の板だと
水分やアラビアガムを吸ってしまいますよね。

これだと、
絵具がムラになったり、変質したりする原因になってしまいます。
そのため、本格的に作りたい方には
「平滑・硬質・非吸水」
の素材がベストなんです!

ペーパーパレットでもお手軽に絵具を作れるけど、本格的にするなら大理石板が良いんだね!
ミュラー(マーラー)は必須?パレットナイフや別の物で代用できるか徹底解説


うーん、ミュラーってなに?
なんでこんな専門道具があるの?
創作水彩絵具を作ろうと調べてみたら、
必ず出てくるのが「ミュラー(マーラー)」
という、すり潰し道具。
これは、
顔料と展色剤を練り合わせるための専用ツールです。
底面を押しつけながら回すことで、
- 顔料の粒子を潰して細かくする
- 展色剤となめらかに混ぜ合わせる
という2つの目的を同時に果たします。
つまり、ただ「混ぜる」のではなく、
「圧力と摩擦で練る」ための道具なんです!
ミュラーの効果 | 詳細 |
---|---|
粒子が均一になる | 発色がよくなり、粉っぽさが消える |
ラメやパールも分散 | キラキラが沈殿せず、全体に広がる |
滑らかな描き心地 | ダマがなく、紙の上でムラになりにくい |
保存性が向上 | 分離しにくく、長期保存にも強い |
とくに
- 顔料の質感にこだわりたい方
- 販売を視野に入れている方
には、ミュラーの使用がおすすめです。
パレットナイフや木べらでも代用できる?ミュラー(マーラー)の代わりを紹介!


…グラスミュラーって必須なの?
パレットナイフじゃダメ?
できます!
筆者も最初はパレットナイフを使っていました。
パレットナイフでも
「ある程度」
練ることは可能です。
パレットナイフは以下のような特徴があります。
- 安価で手に入りやすい
(100均にもあり) - とりあえず混ぜられる
- 少量だけ作る際は混ぜやすい
- 練りの力が弱く、粒子の均一化には不向き
- ラメ顔料などはダマになりやすい
- 時間がかかりやすく、手が疲れやすい
そして、
実はパレットナイフ以外にも代用品はたくさんあります。
たとえば
- 乳棒と乳鉢(すり鉢)
粉をしっかり潰せる。細かい量にも対応しやすい - 木べらやスプーン
混ぜるだけならOK - クリスタルミュラー(小型版)
安価で軽くて扱いやすい
などなど…
用途や目的に応じて選ぶのが正解です!
ミュラー(マーラー)を選ぶと良い人は?ミュラーと代用品を使い分けよう

創作水彩絵具を作る上で、ミュラーは「本格派のための道具」です。
- 発色や質感にこだわりたい
- 人に販売したい
- ラメやパールを美しく仕上げたい
という方にはおすすめ!
でも最初は、
パレットナイフや身近なもので代用してOK!
まずは
「自分のペースで始めてみる」
ことが大切です。
次の章では、
なぜ均一に練るのが大事なのか?
という話を詳しく見ていきましょう👇
水彩絵具は「作る」より「練る」?その違いと大事な意味を解説


手作り絵具って、適当に顔料と展色剤を混ぜるだけじゃダメなの?
手作り水彩絵具というと、
「顔料とアラビアゴムメディウムを混ぜるだけ」
というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
ですが、ただ「混ぜる」のと、
「練る」のとでは、
完成した絵具の質がまったく違います。
「練る」という工程は、単に混ぜる事ではありません。
顔料の粒子を圧力と摩擦で細かく均一にし、
アラビアガムなどの展色剤と
一体化させる作業です。
たとえば、ただかき混ぜただけだと…
- 粉っぽさが残る
- 使用中に顔料と展色剤が分離する
- 描いた時に色ムラやダマができる
- 発色が鈍く、乾いた後に剥がれやすい
といったトラブルが起きることがあります。
一方でしっかり練り上げた絵具は、
- 粒子が細かく
- ムラがなく
- なめらかな描き味になります。

特に、キラキラ顔料(ラメやパール)を使うときや、
濃い色・重い顔料を使うときは、
しっかり練るかどうかで
発色が大きく変わることもあります。

この「練る」工程をしっかり行うことで、
「より絵具らしい」オリジナル絵具に仕上がるんですね!
もちろん、パレットナイフやスプーンで
軽く混ぜるだけでも描くことはできます。
でも、
「美しく使いやすく、長持ちする絵具」
を目指すなら、
混ぜるだけで終わらせず、
ひと手間かけて練ってみませんか?
きっと自分だけの絵具が
もっと使いやすくなるはずです!
「ミュラーで練る水彩絵具づくり」は正統なの?西洋画の古典技法から来た手法です


昔からこうやって水彩絵具が作られてきたんだね!

そうとは限りません…!
実はこの、ミュラーと大理石板で練るスタイル。
水彩独自の「正統な作り方」ではありません!
西洋の油絵やテンペラ技法をもとにした
古典的な絵具づくりの影響を受けたものです。
ルネサンス期の西洋画家たちは、
乾性油や卵黄などの展色材に顔料を手で練り合わせていました。
こうして均一な絵具を自作していたのです。
その際に使われていたのが、
グラスミュラーと大理石板。
顔料の粒子をつぶして均一化し、
定着力や発色を高めるための工夫でした。
この伝統技法が、
現代の「創作水彩」に応用されているのです。

油絵の技法を応用して水彩を作ってるんだ!
本当に品質の高い水彩絵具を作るには、
メーカーのような三本ローラーや
専用の機械が必要です。
その意味では、ミュラー練りは
「趣味的な範囲」にとどまります。
まとめ|手作り水彩絵具は自由に楽しんでOK!練り板・道具の選び方の結論

最後までお読み頂きありがとうございます!
手作り水彩絵具
(創作水彩・ハンドメイド水彩)は、
自由な発想と工夫で、
欲しい色を作れるのが最大の魅力ですよね!
とはいえ、
「なぜ大理石板やミュラーが使われているのか?」
という背景を知っておくと、
より完成度の高い絵具が作れるようになりますよ!
- 大理石板やガラス板は、顔料を均一に練るための素材
- ミュラーは、粒子の均一化や保存性を高めるための本格道具
- でも最初はパレットナイフや鏡でもOK!
- これは水彩絵具の「伝統的な作り方」ではなく、
西洋絵画(油絵)の技法を応用したもの
ということでした。
つまり、「正解」はひとつではありません!
あなたの目的やこだわり、
使いたい色のイメージに合わせて
道具を選び、自分なりの絵具づくりを楽しんでOKなんです!
本格的派も、気軽に始めたい派も、
今日から「自分だけの色作り」を試してみてくださいね!
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