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色の三要素(三属性)とは?ー色相・彩度・明度をやさしく解説!

この記事で分かること
  • 色を構成する「色相・明度・彩度」の意味と違いがわかる
  • 色の三要素(三属性)がどのように組み合わさって見え方を決めるかがわかる



👩✋「スマホで写真を編集してて、『色相・明度・彩度』って出てくる…」
👨✋「正直、よくわかんない!」

そんなふうに感じたこと、ありませんか?

なんとなく編集してるけど、
思ったような色にならない…

毎回、感覚で調整してる…


でも実は、その3つの言葉には
色を分ける大事なルールが隠れているんです!

この記事では、

  • 色相(しきそう)=色み
  • 明度(めいど)=明るさ
  • 彩度(さいど)=鮮やかさ


この「色の三要素(三属性)」について、
図解付きでやさしく解説していきます!



なんとなくの編集から、
狙って色を作れるようになりましょう!



色の三要素(三属性)とは?3つの性質と色を見るための考え方

「色の三属性って?」という見出し付きの図解。中央に色相環(赤・橙・黄・緑・青・紫の輪)があり、左には「色相(しきそう)」と記載。右上には赤を中心とした彩度のグラデーション(三角形状)と「彩度(さいど)」、下部には黒から白への明度のグラデーションと「明度(めいど)」と書かれている。色の三属性(色相・彩度・明度)を視覚的に説明した学習用図解。

色の三要素(三属性)って難しそう?なにこれ?


色の三要素(三属性)とは、

  • 色相(しきそう)
  • 明度(めいど)
  • 彩度(さいど)

3つの性質のことです!


この3つは、
色がどんなふうに見えるか」を決める基本的な要素です。



たとえば、同じ赤でも
「明るい赤」
「くすんだ赤」
「濃い赤」などで、
印象は大きく変わりますよね!

同じ赤でも印象が違うことを示す比較図。左から『鮮やかな赤』『明るい赤』『くすんだ赤』の3つの赤色が並んでおり、色の彩度や明度の違いによる印象の違いを視覚的に説明している。




そのちがいは、
色相・明度・彩度のバランス
によって生まれているのです。

これらの要素を知っておくと、
色をより深く理解できるだけでなく、

「思った通りの色を作る」
「絵の中で目立たせたい色を選ぶ」

といったことがやりやすくなるんです!



趣味の制作や色選びにも使えて、意外と身近なんだね!

使えるのは美術やデザインの分野だけではないんです!


三要素と三属性、どっちが正しいの?

実は、「色の三要素」と「色の三属性」は
どちらも同じ意味です!

色彩検定などの正式な表現は「三属性」ですが、
入門記事では「三要素」と呼ばれることも多いため、
この記事では両方を使っています。

どちらも正解ですので安心してくださいね。




三要素① 色相とは?ー色みの違いを表す性質


色相(しきそう)とは、
色の「〇〇色っぽい」という「色み」のことを指します。

色相とは?という見出しと共に、色相環を示した図。色相環上には『黄色っぽい』『赤っぽい』『青っぽい』の3つのフキダシ矢印があり、色相は“○○色っぽい”という色みを表す概念であることを説明している。右下には『実際は光の波長数で定義されています』という補足も記載



たとえば、
「赤」「青」「黄」「緑」など、
色の名前そのものが色相になっています。



色相は、特に、「その色が何色系か?」
を分類するために使われます。

上の色相環(しきそうかん)を見ると、

  • 赤とオレンジは近い色相
  • 赤と青は離れた色相

というように、色と色の関係性が分かりやすいですよね!

つまり色相は、

  • 色そのものの「系統」や「方向性」を表すものであり
  • 「色はどんな色のタイプか?」という風に分類するもの

なのです!

どんな「色」かがわかるのが、「色相」なんだね!



補足:無彩色には色相がないって本当?

白やグレーなどの無彩色には色相がないことを示す図。左側には赤系の有彩色(鮮やかな赤、明るい赤、くすんだ赤)が並び、下には赤色が示された色相環がある。右側にはグレー系の無彩色が並び、『色みがない』と説明されている。

黒や白の色相ってどれ?
もしかして色相がないの?


はい、白や黒には色相がないんです!



白・黒・グレーなど、
色みがまったくない色のことを
「無彩色(むさいしょく)」と呼びますよね。



これらの色には
「赤っぽい」
「青っぽい」

といった色相がありません。

後述しますが無彩色には「彩度」もありません。



一方で、
赤・黄・青・緑など「色みがある色」のことは
「有彩色(ゆうさいしょく)」と呼ばれます。


ちなみに、無彩色には色相はありますが、
明度や彩度の考え方は関係しています!




それでは、彩度や明度もチェックしていきましょう!

三要素② 彩度とは?|色の鮮やかさや落ち着きを決める要素

赤の彩度の違いを示したグラデーションチャート。右に進むほど鮮やかな赤になり、高彩度と表示。左に進むほど灰色に近づき、にぶい・くすんだと書かれた低彩度の領域になる。画像下部には出典:https://ai-catcher.com/sample-page/ と記載。
出典:https://ai-catcher.com/sample-page/

彩度ってどんなものなの?



彩度(さいど)とは、
色の鮮やかさを表す
言葉です。



同じ「赤」でも、はっきりした赤もあれば、
グレーがかった鈍い赤もありますよね。


この「鮮やか or 鈍い」の違いこそ、
彩度の違いです。


また、彩度がゼロになると
前述した「無彩色(むさいしょく)」になります!




つまり彩度とは、

  • 色の“華やかさ”や“くすみ具合”を調整する要素

なんです!

彩度が高いと華やかで、低いとくすんだ感じになるんだね!


三要素③ 明度とは?|色の明るさ・暗さをコントロールする考え方

最後に「明度」(めいど)です。

明度とは、色の「明るさ」を表す要素です。



上の図のように、

  • 明度が高い:
    白っぽく、明るい印象
  • 明度が低い:
    黒っぽく、暗く落ち着いた印象

となります。




たとえば同じ赤でも、
明度が高ければピンクに近く、
低ければえんじ色のように見えることがあります。



絵やデザインでは、
明度をコントロールすることで、
光と影、奥行きや質感を表現できるんです。!

デッサンでも重要な要素ですよね!



明度と彩度の関係とは?ー白に近づくと彩度が下がる理由を解説!

左にパステル調のペールトーンの色相環、右に鮮やかなビビッドトーンの色相環を並べた図。ペールトーンには『明るいけど彩度は下がる』、ビビッドトーンには『暗いけど彩度は上がる』という説明がそれぞれ記載されている。

あれ、明度を上げようとしたら彩度も下がっちゃう…
明度も彩度も高くできないの?

はい、基本的に無理です!


色の三要素(三属性)は
実は、互いに影響し合っています!




特に「明度」と「彩度」は、
相互で関係しあっているんです。

たとえば
「明度が高い=明るい色」
になるほど、
色は白に近づいていきますよね。



このとき、彩度(色の鮮やかさ)はどうなるかというと…



このように、

明度が高くなりすぎると、
彩度は下がっていくのです。


「明るいけれど、鮮やかではない色」
たとえばパステルカラー。


これは白っぽくて優しい色合いですよね。


この優しいイメージは、
鮮やかさ(彩度)が低いから生まれているのです!

ペールトーンの色相環を示す図。12色のパステル調の色が円形に配置されており、右側には吹き出しで『明度が高いので、彩度は低くなる!』という説明と、『優しいイメージになる』という補足がある。」



逆に、彩度が高い色(ビビッドカラー)は、
どうしても中くらいの明度になっていしまいます。




つまり、
明度が高すぎても、低すぎても、
鮮やかさは出しにくくなってしまうというわけ。

結論
  • 明度が上がりすぎると、色は白に近づき、彩度が下がる
  • 彩度が高くなるには、適度な明度が必要



この関係を知っておくと、
「鮮やかな色を作りたいのに、なんかぼやけて見える…」

といったときに原因が分かります!

色を選ぶときも、塗るときも、
明度と彩度のバランスにぜひ注目してみてくださいね!


図解で理解する!色の三要素(三属性)の関係とイメージ図


以上で、色の三要素(三属性)である

  • 色相
  • 明度
  • 彩度

の意味が分かってきましたね!

でもこの組み合わせでどんな色ができるか分からないよ…


たしかに、実際この三つがどのように組み合わさって
色の違いになっているか、イメージしにくいですよね。



実際、色彩検定では
「色相、明度、彩度」を数値で指定されただけで
その色を当てる、という試験問題があります。

色を見ないで、色を当てるってこと!?



つまり、それだけ色をイメージするのは難しいのですが、
ここではこの図解を使って整理しましょう!


色の三要素(三属性)の関係を分解して色を考えよう!

「色の三属性って?」という見出し付きの図解。中央に色相環(赤・橙・黄・緑・青・紫の輪)があり、左には「色相(しきそう)」と記載。右上には赤を中心とした彩度のグラデーション(三角形状)と「彩度(さいど)」、下部には黒から白への明度のグラデーションと「明度(めいど)」と書かれている。色の三属性(色相・彩度・明度)を視覚的に説明した学習用図解。

🟡色相
色みの違い(赤・青・緑などの色の系統)を表します。
図の色相環で、色が一周ぐるっと並んでいる部分が色相です。

🔵明度
色の明るさを表します。
下にあるグラデーションバーが明度の変化を示しています。  
黒に近づくほど「低明度」、白に近づくほど「高明度」になります。

🔴彩度
色の鮮やかさを表します。   
右の三角の図で、右上に行くほど「鮮やかな色(高彩度)」、左下に行くほど「くすんだ色(低彩度)」になります。


この3つの要素が組み合わさることで、
私たちが見る様々な「色」が出来ているんです!

「色を分解してみてみよう!」という見出しの下に、2つの色の四角が並んでいる図。左は「赤っぽい暗い色」で、色相:赤、明度:低、彩度:中〜低と書かれている。右は「鮮やかな水色」で、色相:青、明度:高、彩度:中と記載。三属性で色を分析する例を示している。



たとえば
赤っぽい暗い色  
➡ 赤の色相+低明度+中〜低彩度

鮮やかな水色
➡ 青の色相+高明度+中彩度


といった具合に、
色の性格を分解して理解できるようになります!



この三要素の仕組みを理解しておくと、

  • 色をより正確に選ぶ
  • 一度作った色を再現する
  • 色を他の人に伝える


ということがとても簡単にできるんです!


より正確な分け方や、考え方は色彩検定のテキストをご覧下さい!





まとめー色の三要素(三属性)は「色を見る力」を育てるヒント


最後までお読み頂きありがとうございます!


色の三要素(三属性)である
「色相」「明度」「彩度」は、単なる知識ではありません!

これらを理解しておくと

  • 色の混色がスムーズになる
  • 絵やデザインで「思い通りのイメージ」が作れる
  • 配色や色選びで迷わなくなる


といったことが可能になります!

色の見え方は感覚だけでなく、
理論でもコントロールできるということ。



あなたもぜひ、
三要素を意識して色を観察してみてくださいね!


世界の色が、きっと違って見えるはずです!






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