こんにちは。日本画家の深町聡美です。
あなたはアナログ絵を描く時、
本番の紙(本紙)に直接下描きしていませんか?
本紙に直接下描きを描き始めると、紙を痛めてしまいます。
すると、絵具の発色が悪くなってしまうことも…
着色をスムーズにするためにも、
下描きを別の紙に描き、拡大して、転写する。
この手順が大切です!
ではどうやって簡単に拡大するのでしょうか?
などなどご紹介していきます。
50号や100号の大きい絵を描いてみたい人必見です!
➡Grid#で分割線を簡単に引く方法:模写や下描きの拡大に便利なアプリ
Contents
アナログ絵の大作は下描きを拡大しないといけない
小さい作品を作る時、下描きは拡大せず本紙に転写するだけでOKです。
ですが大きい作品を作る場合、
- 大きい下描きを描く
(一か月かかることも…) - 小さい下描きを拡大コピーする
などが必要です。
一か月もかけて、どうせ捨てる下描き…
意味あるのかな…?
意味の有無はここでは語らないとして、
多くの方は
「大きい下描き時間かかるな~」
という感じでしょう。
ここでは
- 大作の下描き拡大がちょっと楽になる方法
をご提案いたします!
本気勢は根性で下図を描いた方が良いと思います。
大型コピー機で下書きを拡大コピーする
- 小さい下描きを大型コピー機で拡大しよう
ひとつめの提案は
大形コピー機の活用です。
大型コピー機ならA3を超える拡大も可能!
A3は学校のプリントで一番大きいのだよ。
もし周りに大型コピー機がない時は、
キンコーズ等の印刷ショップに行きましょう!
サイズを指定して印刷をお願いすれば、
拡大コピーして貰えます。
F100に拡大した時は白黒で2500円位でした。
(※10年前)
ポスター印刷で下描きを拡大コピーする
- コンビニのポスター印刷を使おう
コンビニのコピー機では「ポスター印刷」も出来ます!
これは用紙サイズは最大A3なものの
最大約1.2×1.7mのポスターを作れるサービスです。
セブンイレブン|ポスター機能の説明
ロケットニュース24|セブンイレブンのコピー機で約1.2×1.7メートルの「巨大ポスター」を作れるらしい
小さい紙を張り合わせ、一枚の大きなポスターを作ります。
F100号までなら余裕でカバーできる大きさですね!
計算が大変ですが、やるだけの価値はあります。
手描きでグリッドを入れて下描きを拡大
- 下描きをコピーして、それにグリッドを引いて模写しよう
最もアナログな方法では、以下の手順があります。
- 下描きをコピー
- コピーにグリッド(分割線)を引く
- 本紙に、同じ本数のグリッドを引く
- グリッドを目印にして拡大模写する
特別な機材が必要ないので、
最も簡単な方法とも言えますね。
ですが
下描きと本紙は同じ比率じゃないといけません。
長方形の写真を3×3の線で9分割して、
正方形の紙に3×3の線で9分割して、
長方形の写真を見て正方形の紙に模写しても、
同じ絵にはならないよね。
また、日本画では模写の際に紙を痛める可能性が高いので不向きです。
アプリやPCソフトでグリッドを入れて拡大
- Grid#でグリッドを入れて模写しよう!
「下描きをコピーして、計って、グリッドを入れる」
この手間をアプリに任せてもOK!
Grid#というアプリを使いましょう。
アプリで引いた通りに本紙にグリッドを入れ、
拡大模写をするだけです!
おすすめはしませんが、印刷せずにスマホ画面を見ながら模写もできます。
ただし、こちらも日本画には不向きです。
使い方はこちらを参考に!
➡Grid#で分割線を簡単に引く方法:模写や下描きの拡大に便利なアプリ
下描きを拡大したら、カーボン紙やチャコペーパーで転写しよう
あれれ…拡大コピーした後はどうすればいいの?
本紙に転写しましょう!
- グリッドを引いて拡大した人
はそのまま本紙に描き込んでいきましょう!
ですが
- 拡大コピーをした人
は、コピーを本紙に転写しないといけません。
- カーボン紙
転写した線を消せない - チャコペーパー
転写した線を消せる。 - 念紙
自作できる。
転写した線を消せるが色は薄い。
これらを使って転写しましょう。
紙の上にカーボン紙の黒い面を下にして乗せ、
その上に拡大した下描きを乗せ、
赤ペンでなぞって転写します。
カーボン紙の裏表には気を付けて下さい。
日本画を描く方は是非、念紙を自作してみて下さい。
今はチャコペーパーが多数派みたい!
まとめーアナログ絵画の大作に!下書きを拡大して転写する方法4選
以上がアナログ絵で大作を描く時に下描きを拡大する方法でした。
本紙に直接下描きを描き始めると、紙を痛めてしまいます。
着色をスムーズにするためにも、
下描きを別の紙に描き、拡大して、転写する。
この手順を採用して描いてみて下さいね。
美術系の学生さんは、先生のやり方で進めて下さい。
何度も描かなくてはいけない分、構図や描写を精確に描くチャンスがあるという意味です。
日本画のカーボン紙
念紙の作り方はこちらの本で!
前の記事はこちら!
次の記事はこちら!
(お手軽版も!)