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ウルミ色って何?ウルミ色の定義と由来について解説します!
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和名読み方 | うるみいろ |
カラーコード | #7A3635 |
RGB | (122, 54,53) |
マンセル値 | 5R 2/4 |
別名/類似色 | 海老茶、マルーン |
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じつは、そうとは限りません!
こんにちは、日本画家の深町聡美です。
ウルミ色はさまざまな種類がある色です。
まず「ウルミ」とは漢字で「潤み」と書きます。
さて潤んだ色とはどのような色なのでしょうか?
色の説明を調べてみるとこのように出てきます。
- 深みのある黒みがかった色
- 青黒い色
- 赤黒い色
- はっきりしない灰色
- 紫色
いまいち正体が掴めない色で、
まさに「はっきりしない色」と言えるでしょう。
そもそも「潤む」とは「曇る、黒っぽい」という意味だそう。
そのため昔は「濁った色」や「曇った色」は
全て「潤み色」と呼ばれていたのかもしれません。
現在では大きく三つの使い方に分けられそうです。
- 漆などの塗料系:黒っぽい赤、漆の伝統色
- 染物系:グレー
- 日本画系:紫色っぽい色
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「曇った色」にも種類があるんだね!
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あるいは漆工芸の「ウルミ色」から派生した色かもしれません。
この記事では漆系の黒っぽい赤と
日本画系の紫色っぽい色について解説していきます。
ウルミ色の特徴は?漆の伝統色です!
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「ウルミ色」が最も一般的に使われているのは漆工芸でしょう。
漆工芸には「ウルミ漆」「ウルミ朱」などの漆の種類があります。
黒漆に朱や弁柄を混ぜた物を「ウルミ漆」といい、
ツヤツヤとした落ち着いた焦茶を指すのだそう。
漆においては重要な伝統色で、
襖の縁に用いられているのもこの漆だと言います。
漆は塗料ということで、現在でもペンキやラッカーでの
ウルミ色は黒っぽい赤を指すことが多いようです。
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塗料のウルミ色は黒っぽい赤ことが多いんだ!
ウルミ色は化粧品にもピックアップされてる!?
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日本の伝統色であるウルミ色は、
化粧品にもピックアップされています!
株式会社エキップが展開する
化粧品ブランド「SUQQU」(スック)では
ウルミ色にインスパイアされた色を
2019年に秋冬カラーとして発売しました。
落ち着いた赤茶色はアイシャドウにピッタリですね。
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日本の伝統色として意外なところに使われていたんだね!
ウルミ色の作り方テクニック!絵画表現を広げよう!
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ウルミ色って絵具はないよね?
どうやってウルミ色を作ればいいの?
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ウルミ色は水彩や顔彩なら混色で簡単に作ることが出来ます!
ウルミ色は黒っぽい赤、あるいは紫系の色でした。
というわけで、シンプルに
- 赤+黒
- 赤+青
で作ることが出来ます!
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上図は顔彩と水彩での作例です。
顔彩では臙脂+群青、臙脂+黒、臙脂+美藍
水彩ではクリムソンレーキ+デルフトブルー、
クリムソンレーキ+アイボリブラック
を混色しました。
どれも深みのある美しいウルミ色になりましたが、
特に臙脂+群青を薄めれば、グレー系のウルミ色が作れますね!
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臙脂と藍色を混ぜる方法は、伝統的な混色方法のひとつです!
日本画の職人技!ウルミ色を駆使して作り出される絶妙な色合い
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実は日本画にも「ウルミ色」の作り方が伝わっています!
大正時代に書かれた丹精指南という日本画の指南書。
この本には日本画でのウルミ色の使い方が説明されています。
日本画ではウルミ色は「紫色に近い暗い色」とされ、
とされています。
この絵具を紫色の代用として使っていました。
ちなみに、昔の日本画では混色せずに
鮮やかな紫を作るのは不可能でした。
さらに、藍汁と臙脂を混ぜたウルミ色に
胡粉という白い絵具をを混ぜて…
「ウルミ具」という色(絵具)を作ることもできます。
この色は、日本の古い正装である
束帯の指貫(ズボン)を描くのに使われました。
他にも日本と中国男女の服装や、
紫色の草木や花の下地に用いていたそうです。
また、日本画家の安田洋氏によると
『秋野不矩 日本画を語る』という本では
「臙脂を塗って乾かした上に、群青をうっすら塗る」
ウルミ色が紹介されていたそうです。
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日本画ではウルミ色は紫の代用色だったんだね!
まとめー「ウルミ色(潤み色)」を知ってる?日本の伝統から学ぶ、鮮やかな色彩の秘密
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最後までお読み頂きありがとうございます!
今回は、「曇った色」という意味の色、
「ウルミ色」についての情報をお届けしました!
ウルミ色とは、黒みがかった深みのある色であり、
赤黒い色、青黒い色、灰色、紫色など様々な種類があります。
現在では
- 漆の伝統色:黒っぽい赤
- 染色系:グレー
- 日本画系:紫色
3つに分けられそうでしたね。
特に漆工芸での「ウルミ漆」は、落ち着いた焦茶色であり、
襖の縁などに使われていました。
また、ウルミ色にインスパイアされた化粧品も販売されていましたね。
このように、「ウルミ色」は、日本では長い歴史を持つ、
ユニークで面白い色なのです!
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ウルミ色って、つまり焦茶のこと?