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金色は色じゃないって本当?その理由と仕組みをわかりやすく解説

金色のインゴット(金塊)の写真を背景に、「分かりやすく解説します!金色は色じゃないって本当?」という白文字の見出しが重ねられているYouTube風のサムネイル画像。



金色の絵の具って良いですよね!


塗るだけでキラキラとした、
リッチな色に仕上がります。


そんなカッコいい金色が、
実は「金色は色じゃない」と言われるのは知っていますか?


色じゃないってどういうこと!?


と思った方、安心してください。

この記事では、

  • なぜ金色は「色ではない」とされるのか
  • 金色を絵の具だけで再現できない理由
  • 色彩理論で見る金色の正体

をわかりやすく解説していきます!



金色は本当に「色」じゃないの?

金色が色ではないってどういうこと?

色というより、キラキラの「視覚効果」だから色じゃないと言われているんです!



結論から言うと、

  • 金色は「色として」は黄色やオレンジ、黄土色。
  • でも「キラキラ」という「視覚効果」だから色ではない。

この二つが理由です!


といってもピンと来ないですよね。



超簡単に言うとこんな感じです。

  • 金色は黄色や黄土色、オレンジ色などに
    ラメ成分を入れてキラキラさせているのです!



このラメ成分を専門的な言葉で
「偏光物質」と言います。



つまり

「キラキラのもと」である
「偏光物質」がないと
金色とは言えないのです。

金色は色ではない?!色の三属性で色を定義する条件を見てみよう!

「色の三属性って?」という見出し付きの図解。中央に色相環(赤・橙・黄・緑・青・紫の輪)があり、左には「色相(しきそう)」と記載。右上には赤を中心とした彩度のグラデーション(三角形状)と「彩度(さいど)」、下部には黒から白への明度のグラデーションと「明度(めいど)」と書かれている。色の三属性(色相・彩度・明度)を視覚的に説明した学習用図解。

「金色」っていう色名があるのに、色じゃないってどういうこと?

では「色の定義」から見ていきましょう!



色とは何なのか」を簡単に言うと
「色の三属性を持つもの」です!



色の三属性とは以下のものです。

色の三属性
  • 色相(色み)
  • 彩度(鮮やかさ)
  • 明度(明るさ)


色の三属性を全てを具えたものが色であり、「色には明度が無い」とか「白や黒は色ではない」などと主張している人たちが、志向しているものは色ではない。

引用:wikipedia-色

と書かれているように、
色は三要素が三つ揃って「色」になるわけですね!



三属性をすべて持っている、

などは、「色」なのです。


黄色や、山吹色など、「キラキラしてない金色」は「色」にカウントされるんだ!



金色が「色」ではないと言われる理由

黄色や山吹色が「色」なら、キラキラした黄色である「金色」も「色」じゃないの?

三属性だけでなく「キラキラ」が必要なので、「色」ではないんです!



キラキラしてない金色であり、
金色の元になる黄色や山吹色は「色」でしたね。



ですが、wikipediaの金色のページを見ると
こんなことが書いてあります。

金色(きんいろ、こんじき)または黄金色(こがねいろ)は、オレンジがかった黄色(山吹色)で金属光沢を持つ、物体表面の光学的状態である。……

色としては黄色系の色だが、金属光沢、つまり、反射光があまり乱反射せず強い指向性を持つことで金色となる。 ……

色だけの性質ではないので、色空間や表色系だけで完全に表すことはできないが、ウェブカラーとしては#FFD700が定義されており、ややオレンジがかった黄色である。

引用:wikipedia-金色

つまり、

  • 黄色や山吹色は「色」と言える。
  • しかし金色はそれに金属光沢の要素が加わったものである。

と言えるのです。

「金色は色ではない!?」という見出し付きの図解。左側に「山吹色」の四角(色相・明度・彩度すべて◯)があり、「色と言える!」との注釈。中央に「金属光沢(キラキラ/視覚効果)」の写真と「でもキラキラがないと金色にならないから…」とのコメント。右側に「金色」の四角があり、視覚的にキラキラしたグラデーションがかかっている。下部の吹き出しには「💡色としては黄色や山吹色!」と記載されており、金色が「色+視覚効果」で成り立っていることを説明している図解。




金色の「色」は黄色であり、
金属光沢や絵の具のキラキラは
また別の要素というわけです。


金属光沢は普通の絵の具では作れないので

混色しただけでは金色にならないのです!



「色」だけでは金色は作れないのと、
金属光沢が必須だから「色じゃない」って言われてるんだね!



金属光沢とは?金色の正体を知ろう


「金色は色じゃない」と言われる理由が、
この「金属光沢」でしたね。



金属光沢とは、超簡単に言うと
金属のように光をキラキラ反射する性質のこと。



普通の絵の具は、
光をバラバラに反射させます。

すると、普通の絵具のように
マットでキラキラしてない色になります。



それに対し、

金属は一定方向に強く反射するため、
ツヤツヤ・キラキラして見えるのです。

普通の絵の具と金属の反射の違いを比較した図解。左側には“普通の絵の具”として、光が当たると様々な方向に拡散(乱反射)する様子を矢印で示し、“光を拡散(乱反射)させて見せる”と説明。右側には“金属”として、光が一定方向に強く反射する様子が描かれ、“光を一定方向に強く反射する”と記載。金属側には“ツヤツヤ・キラキラ”の効果が書き添えられている。



たとえば金属の表面を光が反射することで、
「金っぽく光ってる!」と人間の目が認識するのです!




つまり、「金色に見える」ためには、

  • 単なる色(黄色やオレンジ)だけでなく、
    光の反射による効果=金属光沢が欠かせません!





絵の具の中には、
金属粉やラメなどの「偏光物質」を混ぜることで
この金属光沢を再現するタイプもあります。


これが「金色の絵具」なんだね!



だからこそ、
ラメなしの普通の絵の具だけで
金色を表現するのは難しいんですね!

「金色=色+光の効果」
これが、金色が単なる「色」とは違うとされる理由です。



金属色、構造色、蛍光色は「特殊な色」として分類されています。
気になる方はぜひご覧下さい。

wikipedia ー色の分類について



金色を絵の具で再現するための工夫

じゃあ、金色を絵具で描くにはどうしたらいいの?


結論から言えば、
絵の具だけで“本物の金”のようにキラキラさせるのは難しいです。


でも、工夫次第で「金っぽく見える表現」は十分可能です!


① 色の明暗・反射を塗り分ける



金属は、光の当たり方で色が変化して見えます。


そのため、次のような
5色程度のグラデーションを使って塗ることで、
「金属に見える表現」が可能になります。

  • ハイライト
    クリーム色(または白っぽい黄色)
  • メイン
    黄色
  • 中間
    オレンジや黄土色

  • 焦げ茶
  • 最暗部:


このように、
明暗をしっかりと分けて塗ることで、
ツヤや立体感が生まれます。


② 偏光素材を混ぜて金属光沢を足す


本当の金属のようなキラキラにしたい時は、
黄色の絵具に偏光素材を混ぜましょう!

  • 黄色や黄土色の絵の具にラメを混ぜる
  • ラメ入りの市販絵の具(例:パールカラー、メタリックカラー)を使う


これにより、
光が当たったときにキラッと輝く、
金属的な見た目にできますよ!


絵の具だけでも「金色に見せる」ことはできるんだ!


まとめー金色は「色」だけでは足りない!光という「現象」が必要!

金色のインゴット(金塊)の写真を背景に、「分かりやすく解説します!金色は色じゃないって本当?」という白文字の見出しが重ねられているYouTube風のサムネイル画像。

最後までお読み頂きありがとうございます。

この記事では、
「金色って色じゃないの?」という疑問にお答えしてきました。

そのために

  • 色の定義
    (三属性:色相・彩度・明度)
  • 金色が「色」ではなく、金属光沢を伴う視覚効果であること
  • 絵の具で金色を表現するための工夫

をお話してきましたね。



金色の正体は、
「オレンジがかった黄色」+「ツヤ・キラキラ」
といった光の反射の仕方です。



普通の絵の具だけではこの光沢までは表現できませんが、
塗り分けの工夫ラメの使用によって、
「金色」を描くことは出来ました!



ぜひ、このやり方で
金色の表現に挑戦して下さいね!






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「抹茶色」という縦書きの白い文字が中央に配置されたシンプルな黄緑背景の画像。下部には「Matcha 水彩絵具の混色で作る方法」と白文字で書かれている。ブログ記事やYouTubeサムネイル向けの表紙デザイン。

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